陽射しにはまだ夏の名残がありながら、
朝夕の風に、少しずつ秋を感じる九月。
古くより、この月は「長月」と呼ばれてきました。
その名は、夜が次第に長くなる
「夜長月」に由来するとも。
月を仰ぐ時間が少しずつ長くなる頃。
髪を結い、
一本の簪を挿す。
歩みに合わせて静かに揺れ、
光を受けるたびに、
異なる表情を見せる。
強く主張するのではなく、
ふとした仕草の中に残る美しさ。
日本の美とは、
そんな「気配」の中に宿ります。
「半月一枚刃」と共に、
その先の繊細美へ。
令和八年九月十九日
三代目赤坂兵之助拝