陽射しはなお強く、
蝉の声も深まる八月。
古くより、この月は
「葉月」と呼ばれてきました。
その名は旧暦のころ、
木々の葉が色づき、落ち始める
「葉落月」に由来するともいわれます。
盛夏のただ中にありながら、
朝夕の風や、少しずつ短くなる日の光に、
次の季節の気配を感じはじめる頃。
髪を結い、
一本の簪を挿す。
華やかに飾るだけではなく、
その人の佇まいに、
ひとすじの美しさを添える。
すべてを語らず、
振り向いた、その一瞬に残るもの。
日本の装いには、
そんな「余白の美」があるかと拝します。
令和八年八月十九日
三代目赤坂兵之助拝